DINER ( Web Magazine )

December 2017

開店直前に焼き上げるクロワッサンとコーヒー。
代官山ガーデンハウス クラフツの朝

category / Interview
( 2015/10/05 )

vol.2 / GARDEN HOUSE CRAFTS

「朝とパン」をテーマに、素敵な朝の過ごし方をお届けする特集「東京モーニング」。初回は青山パン祭りの運営から生まれたチーム、Bread Labさんに「おすすめの朝パン」について教えていただきました。今回は「東京の中でも数少ない、朝早くからイートインできるパン屋」と紹介いただいた、代官山のガーデンハウス クラフツさんにお邪魔します。さて、どのような朝が待っているでしょうか。

都会の小路、ログロード

都会の小路、ログロード

ログロード代官山。ここは2015年4月、かつて東横線の線路だった場所に生まれた商業施設です。代官山駅から渋谷方面へと続く小路のような施設の全長は、約220m。

「歩くと約10分間。その時間の中で、いかに気持ちよく過ごしてもらうか」と、コンセプト立案時の思考について教えてくれたのは、ログロードの基本計画に携わった株式会社 THINK GREEN PRODUCEの代表、関口正人さん。本日お邪魔するパン屋さん、ガーデンハウス クラフツのオーナーでもあります。お店で朝食をいただく前に、施設のコンセプトやデザインについてお伺いしました。

ガーデンハウス クラフツ

「ログロードの役割は、コミュニティとして、街をつなげること。ニューヨークにある空中緑道のハイラインのように、代官山の街並みに調和した公園、いえ公園というよりは小路や緑道のような場所です。そうすると、コンクリートやスチールよりも、ナチュラルな木の建築がいい。木の建築と言えばログハウスですが、それが緑道と重なり“ログロード”というコンセプトになりました」

ガーデンハウス クラフツ

そんなログロードを代官山駅方面からのんびり歩いていくと、小路の一番奥にあるパン屋さん、ガーデンハウス クラフツに到着します。そこは、歩道から続くテラス席と店内がつながる開放的な空間。ガラス越しの扉から中をのぞくと、ガラスケースの中にたくさんのパンが並んでいるのが目に入ります。

ガーデンハウス クラフツ

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作り手のコミュニティ

「お店の名前は、“クラフト”ではなく、敢えて“クラフツ”という複数形にしています」とのことですが、それは「作り手のコミュニティ、集合体を意味している」から。その作り手を伺うと、「建築は、ログロード自体も手掛けているジェネラルデザインの大堀伸さん、インテリアデザインはランドスケーププロダクツの中原慎一郎さん、そしてグラフィックはポートランドのデザインユニット、OMFG(Official Mfg. Co.)」と、第一線で活躍するメンバーが集結していました。

ガーデンハウス クラフツ

「ウォールナットと上質な日常を演出する真鍮。そして、組み木のサインボードでクラフト感を出しました」という空間は、ノーザンカリフォルニアをコンセプトにしたスタイル。廃材を組み合わせたサインボードを手掛けるのは、オークランドのアーティストAleksandra Zeeさん。さらに「マットな手触りのセラミックとカジュアルなカラーが効いている」というマグカップは、同じくオークランドのユニット、ATELIER DIONのものです。

アトリエディオンのマグカップ

ローカル&クラフツ

建築やデザインだけではなく、店を切り盛りする「ベーカー、パティシエ、キッチンにも、ジャンルの異なるシェフが集結しています」ということでご紹介いただいたのは、ベーカーの村口絵里さん。

「パン、ケーキ、料理という3部門があり、シェフのリーダーはすべて女性です。私は日本人、ケーキを担当するパティシエは日本と韓国のハーフ、キッチンはアメリカ人。年齢も同じくらいの女性シェフ3人が集まっているので、とても楽しいです」と、村口さんは笑います。

「鎌倉にもガーデンハウスというレストラン業態の別店舗があるのですが、代官山は鎌倉と比較するとカジュアルで、“手仕事感”をより大きなテーマにしています。パンのタネも自家製にするなど、時間をかけていいものを作ろうという気持ちが強いんです。ただ、ローカル&クラフツという根本的な想いはどちらのお店も変わりません」

ガーデンハウス クラフツ

店内を見回すと、出勤前に夫婦で朝食をとったり、友人同士で過ごしたりと、利用シーンはさまざま。パンを一つ買いに並ぶ女性に目を向けると、カウンター越しにスタッフと会話を弾ませる様子が。そこには確かに、都会の中のローカルなコミュニティが広がっていました。

マフィンとクロワッサン

顔の見える素材とパン

さて、「朝は一日のスタート。栄養価の高いおいしいものを食べて、素敵な一日を過ごしてほしい」という村口さんに、おすすめの朝食を伺いました。

「クロワッサン、オーガニックショコラの入ったヴィエノワズリー、国産のオリーブを使ったフォカッチャなど、焼き立てが食べられるよう開店直前に焼き上げています。パン以外にも、スコーンやマフィン、パウンドケーキなど、国産の粉を使った焼き菓子もあります。パンと温かいコーヒーを組み合わせたり、マフィンとスムージーでエネルギーチャージしていただくのも良いですね」

早速オーガニックショコラをいただくと、外はパリパリッと音がして。手でちぎると、中の生地がモッチリとふくよかに広がりました。

オーガニックショコラ

パンのこだわりは、「顔の見える食材」を使うこと。村口さん自身で生産者のもとに出かけ、日々素材を発掘しているそう。さらにもう一つ、「日持ちのするパン」であることも、村口さんのこだわり。

「次の日も、おいしく食べられるパンがいいなと思っていて。一番のメインはカンパーニュなのですが、水分を多く仕込み、高温が出せる石窯のオーブンで焼き上げます。そうすることで、外側のハードな堅い生地に守られて、中はモチモチに仕上がるんです」

鎌倉ハムのクロワッサンサンド

ガーデンハウス クラフツでは、焼き立てパンのほかにも、目玉焼きや鎌倉ハム、ウィンナー、ベーコンが選べるモーニングセットも楽しめます。いつもよりもちょっと早起きをして出かけた本日。お腹を空かせていた私たちに届いたのは、第一線で活躍する作り手たちの思考と、お客さんの素敵な一日を願うシェフの明るい笑顔でした。想像以上に、お腹も心も嬉しい気持ちでいっぱいです。

それでは、次回の朝食もお楽しみに。

ガーデンハウス クラフツ
東京都渋谷区 代官山町13ー1 LOG ROAD DAIKANYAMA5号棟

営業時間
月~木・日 8:00~20:00
金・土 8:00~23:00

公式サイト
http://www.tgp.co.jp

( about DINER )

「どこで、だれと、なにを食べようか?」

DINERは「食事の時間」をテーマにしたウェブマガジンです。2014年春、Food & Design Postというニュースサイトとしてスタート。2016年春のリニューアルを経て、現在は東京の飲食店取材を中心に活動しています。2017年春には、ノンアルコール飲料ブランド「SHE LAUGHS」も始めました。