DINER ( Web Magazine )

December 2017

アルテックカフェで知る北欧のこと(後半)- 北欧ブームが起きた理由

category / Interview
( 2015/11/16 )

アルテックカフェで知る北欧のこと

日本では、北欧の家具や食器の人気が長く続いています。みなさんはそれらのプロダクトが生まれた場所のこと、作った人のこと、そして、その周りにある人々の暮らしについて、考えたことはありますか? 今回、北欧モダンのインテリアブランド、Artek(アルテック)が80周年を記念した展覧会の連動企画として期間限定カフェをオープンすることを聞き、Food & Design Postではこう考えました。「本当の北欧の食と暮らしって、どんなものだろう?」と。身近にあふれるものから一歩足を踏み出し興味を持って、リアルな北欧のライフスタイルを知りたいと思ったのです。そんな私たちに北欧の話を教えてくれたのは、フィンランド出身のセールスディレクター、アンニさんとザ・コンランショップカフェ店長の渡邉さん。お二人へのインタビューの後半をお届けします。

アルテックカフェで知る北欧のこと

アルテックカフェで知る北欧のこと

法律で決められた、コーヒーブレイク

—今回のカフェで出されているコーヒーは、フィンランドのロバーツコーヒーですね。

アンニさん アルテックのマリアンネ社長と一緒に飲んで、「ほっとするね」と二人で話したところです。フィンランドは世界でトップを争うほどコーヒーを飲む国。一日に、5、6杯は飲みます。

—コーヒーブームのようなものはありますか?

アンニさん おしゃれなカフェの文化は最近来ていますが、それとは全く関係なくコーヒーは生活に欠かせない文化です。朝にはもちろん必要ですし、ちょっと疲れたらまた飲んでという感じで。例えば工事現場で働いていても、コーヒーは家から持ってくるか、近くにカフェがあったら飲みにいきます。2回のコーヒーブレイクは法律で決められていて、朝とランチの間、ランチと仕事終了の間にコーヒータイムで休憩を取ります。私にとって、ロバーツコーヒーは、そういうことを思い出すフィンランドのコーヒーです。

渡邉さん 量を飲んでいただけるコーヒーなのかな。軽くて酸味がありバランスがいいので、日本で言うなら緑茶を飲んでいる感じでいただけるのかなと思います。

アルテックカフェで知る北欧のこと

アルテックカフェで知る北欧のこと

震災後の日本に生まれた「変わらないこと」への共感

—アンニさんは、日本の北欧ブームをどのように見てきたのですか?

アンニさん 16年前の1999年に初めて日本に来たときには、アルテックやマリメッコといったブランドをショップで見る機会はとても少なかった。取り扱っている店はありましたが、見つけたときには嬉しい!と思うくらい、フィンランドや北欧の商品があることは特別でした。でも今は、どこに行っても見かけるほど状況は大きく変わりました。

—そのブームにはいろいろな理由があると思いますが、アンニさんはどのように感じていますか?

アンニさん いろいろな理由があると思いますが、アルテックとして大きな転換期と感じたのは、震災の年である2011年。そのときから、北欧ブランドが持つ、タイムレスであることの気持ち良さ、変わらないクオリティ、価値、ストーリー。そういったものに対する注目が増えてきたことを感じています。

アルテックカフェで知る北欧のこと

—そのような中で、アルテックにはどのような未来を期待できますか?

アンニさん アルテックは、80年間変わらず同じ工場でプロダクトを作っています。日本人とフィンランド人の間には共感するものがあると思うので、少しずつ広げていいきたいです。私たちはとても小さいチームなので、今回のカフェのようなコラボレーション企画をパートナーと企画していきたい。手作業の味を残しながら、ブランドのことをより多くの人に知ってもらいたいです。

渡邉さん カフェの企画は、普段はいらっしゃらない方も来てくださるので私たちも楽しんでいます。常連さんも「ディスプレイが変わるのを楽しみにしていた」とおっしゃってくれました。

アルテックカフェで知る北欧のこと

アンニさん 今回は、誰でも気軽に楽しめるカジュアルな内装にしています。壁はもともとピンク色だったのですが、アルテックの今年のテーマカラーであるセージグリーンに塗り替えました。椅子は、アアルトの代表的な作品の「スツール60」。いろいろな色のスツールを組み合わせて、配置は自由に。同じ材料で作っている背もたれのある「66 チェア」も置いています。照明は、気軽でフレッシュな印象を作りたくて、オールホワイトのものを選びました。本を読みながらコーヒーを楽しんでいただけるように、北欧デザインやムーミンの本、旅行の本なども置いています。アアルトのテキスタイル「シエナ」のトレーなどのキッチングッズに加えて、食器はイッタラのものを。グラスは、アアルトの妻のアイノのデザイン。デザインカフェというイメージよりは、フィンランドの家庭料理に合うような、リラックスできる雰囲気を楽しんでいただけたらと思っています。

アルテックカフェで知る北欧のこと

『KAHVILA ARTEK 80』

開催日 2015/10/28~11/24(火)
時間  10:30~19:00 
場所  ザ・コンランショップ カフェ 新宿店 
    東京都新宿区西新宿3丁目7-1 パークタワー3F

公式サイト(Facebook)
https://www.facebook.com/ArtekJapan

アルテック創業80周年特別巡回展「Artek 80 Art & Technology -80年のキセキとこれから」を、同じビルのスペースで開催中

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「どこで、だれと、なにを食べようか?」

DINERは「食事の時間」をテーマにしたウェブマガジンです。2014年春、Food & Design Postというニュースサイトとしてスタート。2016年春のリニューアルを経て、現在は東京の飲食店取材を中心に活動しています。2017年春には、ノンアルコール飲料ブランド「SHE LAUGHS」も始めました。