DINER ( Web Magazine )

June 2017

本を作りにインドへ。モノづくりの旅レポート vo.l02『インドのハンドメイドペーパー工場01』

category / Report
( 2015/03/24 )

インドのハンドメイドペーパー工場

フォトグラファー/アーティストの原田さんから、「アクセサリーブランドpahiとのコラボレーションで、手作りのアート本をインドで制作する」と編集部宛にコンタクトをいただいたのは、彼女がインドへ旅立つ1週間前のこと。この出会いを大切にしたい、そして本が完成するまで応援したいという気持ちから、「インドの滞在記をレポートしませんか?」とお願いしたところ、現地から臨場感あふれるコラムを連載していただけることになりました。手仕事や直取引といった時代感覚にあった制作方法、さらに印刷所の様子など、インドならではの制作エピソードをメインにお届けしていきます。

こんにちは、原田恵梨です。前回はインド、ジャイプルでどのような生活しているのかをご紹介しました。本題に入る前に、少しばかり近況のご報告を。今はハンドメイドペーパーの発注が終わり、これから印刷と製本までを行う予定で、プロジェクトはこの一週間が勝負です。

また、最近は気ままに簡単な料理を作って食費を浮かせています。卵は1個5ルピー(約9.5円)。スーパーで肉や魚が手に入ることは少ないので、タンドリーチキンをよく買ってしまいます。チキンは6個で150ルピー(約285円)。旅に出て、ローカルの人に食生活を学ぶ重要さを感じていますが、最近では物価も把握できるようになり、リキシャやタクシー、食品の値段を自分である程度判断できるようになりました。

1タンドリーチキンは150ルピー(約285円)

インドの会社は、基本的に月~土までの週6日。私の印刷会社は10時から19時30分が営業時間で、そのうち2時間がお昼休みです。また、3月7日に「ホーリーフェスティバル」という、春の訪れを祝うヒンズー教徒のお祭りがあったため、実質4日間、すべての工程がストップしました。焦っても仕方がないので、私も撮影を楽しむため、ジャイプルから6時間程をかけてホーリーフェスティバルの聖地に突撃してきました。クリシュナ神生誕の地でのフェスティバルは世界一危険だと言われており、インドの友人にも行くなと止められるほど危険で、女性一人での潜入はおすすめしません。人々の熱狂、宗教について考えさせられるとともに呆気にとられ、色粉や色水からカメラ、目、体を守ることで精一杯。なかなか撮りたい絵が撮れませんでしたが、いつかリベンジします!

2世界一危険だと言われるクリシュナ神の生誕の地ブリンダバン「ホーリーフェスティバル」

ちなみにインドでは、夜に出歩くときには細心の注意が必要で、日本のように居酒屋へ行ったり、クラブに行ったりすることはできません。富裕層の友人たちは基本的には家で仲間と集まることが多いようで、音楽を聞きながらカードゲームやテレビゲーム、アルコールを楽しんでいます。

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さて、話をプロジェクトの始まりに戻しましょう。2013年の6月ごろ、pahiというジュエリーデザイナーの友人が、ブランドのカタログ制作のために現地に同行できる女性フォトグラファーを探しているということで話を頂きました。当時、私は麻布十番にある田村写真さんでアルバイトとしてお世話になっていたため、そのときはお断りをしたのですが、フリーランスとして働き出したときに再びお話を頂いたので、インドでの撮影に参加することとなりました。当初、撮影はジャイプルの制作現場で行い、カタログ自体はオンラインサービスを利用して日本なり中国なりで制作する予定でした。

でも、撮影の現場で職人とデザイナーの距離が非常に近いことに驚き、またジャイプルで頑張る彼女の姿に感化され、「カタログも、ジャイプルでしか作れない本にしようよ」と提案をしました。そんな私の提案から「オリジナル」であることに重点を置き、日本では作れない本を作ろうと、日本を飛び出しインド・ジャイプルへと再び降り立ったのです。

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4ハンドメイドペーパー工場

ジャイプルに着くと、まずは紙が重要だと考えハンドメイドペーパー工場を訪ねました。世界が日本の和紙に注目しているように、その土地でしか作っていない紙を使うことでオリジナルなものに仕上げようと思ったのです。インドの紙の特徴についてお話しようと思ったのですが、ここで今回の紙面が尽きてしまいました(!)。また次回、手作業で1枚1枚作られるインドの紙についてお届けしますね。

原田恵梨

原田恵梨
グラフィックデザイナー、フォトグラファー、アーティスト。現在、アクセサリーブランドpahiとのコラボレーションでアート本を作成するためインドに滞在中。

自己紹介
私は在日韓国人3世として日本に生まれた背景もあり、ボーダー(国境)やアイデンティティーとは何かを考える機会は多く、「生まれ育った環境の外の世界を知りたい」と、若いころより一人旅をしてきました。学生時代は日本画、服飾デザイン、グラフィックデザインを学び、現在はグラフィックデザイナー、フォトグラファー、アーティストとして活動しています。

( about DINER )

「どこで、だれと、なにを食べようか?」

DINERは「食事の時間」をテーマにしたウェブマガジンです。2014年春、Food & Design Postというニュースサイトとしてスタート。2016年春のリニューアルを経て、現在は東京の飲食店取材を中心に活動しています。2017年春には、ノンアルコール飲料ブランド「SHE LAUGHS」も始めました。