DINER ( Web Magazine )

June 2017

優しいフォーと、さっぱりなブン。
ランドスケーププロダクツの麺食堂

category / Shops
( 2015/06/04 )

GOOD! SHOPS GUIDE

いいお店を紹介する連載「GOOD! SHOPS GUIDE」。3回目にご紹介するのは、ランドスケーププロダクツが千駄ヶ谷にオープンした麺食堂「Pho 321 Noodle bar」です。家具作りからスタートし、今では千駄ヶ谷を中心に多彩なショップ運営も行っているランドスケーププロダクツの新店に期待を膨らませ、お腹をすかせた昼下がりに訪れました。

Pho 321 Noodle bar

1997年、中原慎一郎さんを中心に結成し、家具作りからその活動をスタートしたランドスケーププロダクツ。2000年には、オリジナル家具とセレクト品を扱うインテリアショップのPlaymountainをオープン。その後も家具作りに加えて、店舗や住居の設計施工や空間デザインを手掛けながら、カフェ、コーヒースタンド、子供のためのデザインショップ、さらには薩摩焼の老舗窯元と立ち上げた陶器ブランドなどを展開してきました。

Pho 321 Noodle bar

そんな多彩なショップをプロデュースしてきた代表の中原さんが、「10年ほど前から出店したいと思っていた」というお店が、今回ご紹介するフォーとブンのベトナムを代表する麺料理の食堂「Pho 321 Noodle bar」。「自分たちが長い時間をそこで過ごす場所に、何があれば全体が良い風景になるだろうか?」。そんな思いをめぐらせながら、拠点とする千駄ヶ谷に生み出した新しいスポットです。

Pho 321 Noodle bar

北参道の駅から、大通り沿いにキラキラ光る都会の新緑を感じながら歩いていくと、ポップなストライプのシェードが目を引く一軒のお店が見つかります。ガラス張りの大きな窓と、入口に飾られたステンドグラス。まるで海外の路地に佇む食堂のような雰囲気で迎えてくれたお店のデザイン監修は、grafの服部滋樹さん。

Pho 321 Noodle bar
Pho 321 Noodle bar

「千駄ヶ谷を拠点とする自分たちが、あるといいなと思えるお店なんです」と、答えてくれたのはランドスケーププロダクツで飲食部門を担当する新貝勇介さん。確かにPlaymountainをはじめとした各店舗もすぐ近くにあり、お昼にはスタッフもよく遊びに来るそうですが、インテリアショップ、カフェ、コーヒースタンドに続く「あるといいな」は、なぜ「ベトナム麺」だったのでしょうか?

Pho 321 Noodle bar

「インテリアやセレクトショップという仕事柄、会社のメンバーがアメリカ西海岸へ出張することが多いのですが、食の先端を行くカルフォルニアには、おいしいフォーを出してくれるお店が多いんです。Pho 321 Noodle barはフォーとブンのお店ですが、ベトナム料理屋ではなく、”西海岸で食べるフォーとブン”を提供するヌードルショップなのです」

Pho 321 Noodle bar
Pho 321 Noodle bar

grafの椅子に座り、すべすべの木製テーブルに肘をついて目を閉じ、西海岸で食べるフォーを想像してみます。ぐっとお腹が鳴るのをこらえながら、目を開けてゆっくりと店内も見渡してみます。「内装の考案をしている際にイメージができてきた」というオリジナルの銅製ライト、西田麗美さんのステンドグラス、N.HOOLYWOODが手掛けた風通しの良さそうなユニフォーム、そしてどこか海外のお店でのワンシーンを切り取った、高橋ヨーコさんの写真。もう、準備は完璧です。カモン、ヌードル!

Pho 321 Noodle bar

本日注文したのは、鶏肉のフォーと豚肉のブン。サイドメニューは生春巻きとレモンライスを選びました。メニュー開発を担当したのは、料理家の有元くるみさん。器は「釉薬やサイズ感などの細部まで調整した」というSUEKI CERAMICSさんの特注品が使われています。

Pho 321 Noodle bar

まずは、鹿児島産の鶏を使ったフォーをひと口。パクチー、水菜、クレソン、わさび菜、そしてシソのような香りがする「ラウオム」、ドクダミに似た「ラウラム」といったベトナムハーブが体にとっても良い感じ。柔らかなスープの味は、夏の疲れた胃にも優しく寄り添ってくれるはず。次は、汁なし麺のブン。こちらはフォーに比べてやや細めの麺が、ナンプラーを効かせたタレと見事にマッチ。しっかり味付けをした豚肉と、ミントやレモングラスのさわやかな香りが食欲をそそります。優しいフォーと、さっぱりなブン。何だか似ているけどちょっと違う仲良しな双子のようで、とってもバランスが良いメニューです。

Pho 321 Noodle bar

サイドディッシュの生春巻きに入っているのは、人参、セロリ、大葉、ミント。そして程良い甘さのさつまいもが優しい気持ちにしてくれます。皮に透けて映る丸いラディッシュが見た目にも華やか。ターメリックやスパイスを混ぜて炊き上げたレモンライスも病みつきになりそうです。レモンライスに添えられているのは、無農薬のリスボンレモン。「レモンは広島から仕入れていて、コーヒースタンドのBE A GOOD NEIGHBOR COFFEE KIOSKでも使っています。運営する各店と連携しながら、自分たちと縁のある生産者をもっと紹介していきたい」と、新貝さん。

Pho 321 Noodle bar

「季節の素材に着目したものを提供できるよう、常に新鮮で質の良いものを全国各地から取り寄せています。そして、フォーやブンなどの一杯としてお客様に提供していきたいと思っています」ということで、新しい季節のメニューも楽しみです。

Pho 321 Noodle bar

満腹になり幸せな気持ちでふと外を見ると、楽しそうに歩く家族連れや、ランチボックスのテイクアウトをして会社に戻るクリエイター、大通りを行きかう車と都会の中でのびのびと育つ緑。大きく解放された窓からはそう、何だかいつもよりちょっと素敵な景色が見えました。

Pho 321 Noodle bar

ランドスケーププロダクツ
1997年、中原慎一郎さんを中心に結成。2000年にオリジナル家具とセレクト品を扱うインテリアショップの「Playmountain」をオープン。店舗の設計施工に加え「Tas Yard」、コーヒースタンド「BE A GOOD NEIGHBOR COFFEE KIOSK」、子供のための子供のためのデザインショップ「CHIGO」、そして400年の歴史を持つ薩摩焼の窯元と立ち上げた「CHIN JUKAN POTTERY」といったショップを展開

Pho 321 Noodle bar

Pho 321 Noodle bar
場所   東京都渋谷区神宮前2-35-9 ♯102
営業時間 11:30〜20:00(19:30オーダーストップ)
定休日  日曜

公式サイト
http://pho321.net/

( about DINER )

「どこで、だれと、なにを食べようか?」

DINERは「食事の時間」をテーマにしたウェブマガジンです。2014年春、Food & Design Postというニュースサイトとしてスタート。2016年春のリニューアルを経て、現在は東京の飲食店取材を中心に活動しています。2017年春には、ノンアルコール飲料ブランド「SHE LAUGHS」も始めました。